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Harker LA et al Failure of aspirin plus dipyridamole to prevent restenosis after carotid endarterectomy
結論 aspirin+dipyridamoleの併用は,頸動脈内膜切除術後の再狭窄を抑制せず,逆にリスクを増加させる可能性が示唆された。

目的 頸動脈内膜切除術施行患者において,抗血小療法aspirin+dipyridamole併用の再狭窄抑制効果を検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(3施設)。アメリカ。
期間 追跡期間は1年(平均追跡期間はaspirin+dipyridamole群328日,プラセボ群341日)。登録期間は3年。
対象患者 163例(175病変)。平均年齢67歳。男性71%,脳卒中前駆症状を有し,血行動態的に重大な頸動脈狭窄が血管造影で認められる患者,または無症候性であるが重度の狭窄が血管造影で認められ,初回の頸動脈内膜切除術を施行した患者。一過性脳虚血発作(TIA),一過性黒内障,軽度の脳卒中,脳卒中後の神経障害から回復した患者,および施行前の血管造影・超音波検査により局所的な頸動脈病変が認められた患者。
【除外基準】持続的な意識障害または寝たきり,脳動脈瘤や腫瘍などの頭蓋内病変,aspirinまたはdipyridamoleに禁忌,重篤な情緒障害など。
治療法 aspirin 975mg+dipyridamole 225mg/日(分3)経口併用投与群(83例,90病変:A+D群)とプラセボ群(80例,85病変:P群)にランダム化。A+D群:施行12時間前,施行後8時間以内にaspirin 325mg+dipyridamole 75mgを単回投与。その後1年間にわたって所定の用量を継続投与(平均投与期間はA+D群259日,プラセボ群298日)。
試験薬以外のaspirin,dipyridamole含有製剤の服用は不許可。鎮痛薬は必要に応じてacetaminophenを投与。頸動脈内膜切除術施行部位の開存性は,退院時および術後3ヵ月ごとに評価。
追跡完了率 早期の投与中止率は33.1%(54例:A+D群29例,P群25例)。
【脱落理由】患者の同意なし(22例),有害事象(12例),死亡(9例)など。
結果

●評価項目
efficacy analysisでは,再狭窄(>50%)はA+D群11例(16%),P群10例(14%)であり,A+D群で14%リスクが増加した(p>0.2)。intention-to-treat解析では,再狭窄(>50%)はA+D群16病変(26%),P群10病変(12%)であり,リスク増加は110%であった(p=0.18)。再狭窄(>20%)の場合においても,両解析において同様の結果が得られた。
投与中止はA+D群29例(35%),P群25例(31%)で有意差はなし。P群で1例が術後2日に半球性脳卒中で死亡。11例で手術部位に血腫が発症。また,一過性の軽症神経障害が8例(A+D群5例,P群3例)に認められた。

●有害事象
有害事象は,A+D群で28例から79件(うち8件は重篤),P群では16例から39件が報告され,A+D群で有意に多くみられた。上胃部痛はA+D群で有意に多かった。

文献: Harker LA, et al. Failure of aspirin plus dipyridamole to prevent restenosis after carotid endarterectomy. Ann Intern Med 1992; 116: 731-6. pubmed
関連トライアル Asymptomatic Cervical Bruit Study, Brooks N et al, Findlay JM et al, GESIC, M-HEART II, Minar E et al, Rajah SM et al 1994
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