抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
IMPACT-AMI Integrilin to Minimise Platelet Aggregation and Coronary Thrombosis-Acute Myocardial Infarction
結論 血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬eptifibatide(integrilin)とalteplase急速投与+aspirin+heparin静注との併用は,急性心筋梗塞(AMI)患者の再灌流および再灌流速度の改善に有効であることが示された。

目的 急性心筋梗塞(AMI)患者において,血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬eptifibatide(integrilin)およびalteplase(急速投与),aspirin,heparin併用による再灌流,虚血,臨床アウトカム,出血に対する効果を検討。
一次エンドポイント:90分後の血管造影所見におけるTIMI grade 3血流。二次エンドポイント:最大ST偏差の安定状態への回復時間,入院中の複合イベント(死亡,再梗塞,脳卒中,血行再建術施行,心不全の新規発症,肺浮腫),出血(輸血回数,ヘマトクリット値の最大変化,出血性合併症の発症数,Landefeld指数)。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,オープン(group 1),二重盲検(group 2),intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(13施設)。アメリカ。
期間 追跡期間は24時間。登録期間は1993年7月~1995年4月。
対象患者 180例。18~65歳(group 2では18~75歳)。AMI発症から6時間以内。
AMIの定義:1)30分を超える狭心痛の持続および後方損傷電流と一致したV1~V6誘導のST下降,2)J点から0.02秒後に2つ以上の下方誘導(II,III,aVF),前胸誘導(V1~V6),またはIおよびaVL誘導でのST上昇(≧0.1mV),3)下方または前方誘導における主要なST変化および左脚ブロック。
【除外基準】妊娠の可能性,体重>125kg,出血体質,重度の高血圧症(降圧治療にもかかわらずSBP>200mmHgまたはDBP>100mmHg),脳卒中または中枢神経障害の既往,warfarin投与またはプロトロンビン時間>コントロールの1.2倍,ヘマトクリット値<30%,過去6週間以内の消化管出血(gross bloodまたは下血)または泌尿生殖器出血(gross),血小板数<10万/mm3,出血性網膜症,血清クレアチニン値>4.0mg/dLなど。
治療法 1)group1:132例を下記のいずれかに2:1の割合でランダム化。
group 1a:integrilin群(36μg/kgボーラス投与後,0.2μg/kg/分で24時間持続投与)18例またはプラセボ群6例。group 1b:integrilin群(72μg/kgボーラス投与後,0.4μg/kg/分で24時間持続投与)14例またはプラセボ群8例。group 1c:integrilin群(108μg/kgボーラス投与後,0.6μg/kg/分で24時間持続投与)12例またはプラセボ群6例。group 1d:integrilin群(135μg/kgボーラス投与後,0.75μg/kg/分で24時間持続投与)15例またはプラセボ群6例。group 1e:integrilin群(135μg/kgボーラス投与後,0.75μg/kg/分で24時間持続投与)15例またはプラセボ群9例。group 1f:integrilin群(180μg/kgボーラス投与後,0.75μg/kg/分で24時間持続投与)16例またはプラセボ群7例。
2)group 2:48例を下記のいずれかに3:1の割合でランダム化。
integrilin群(180μg/kgボーラス投与後,0.75μg/kg/分で24時間持続投与)35例またはプラセボ群13例。全例にheparin静注(group 1a,1b,1e,1f,group 2:40U/kgボーラス静注後,15U/kg/時で持続静注,group 1cおよび1d:alteplase投与開始60分後からintegrilin群のみ15U/kg/時で持続静注:全群ともに活性化部分トロンボプラスチン時間をコントロールの2~2.5倍となるよう用量調整)。
全例にalteplase急速投与(GUSTO-I Trialの体重補正法を使用,100mg以下)。また,全例に試験薬投与前にaspirin 325mg投与,その後325mg/日継続投与。試験薬はalteplase投与開始から10~30分後に投与開始。
24時間心電図,および投与開始90分後に血管造影を実施(必要があれば5~10日後または退院前にも実施)。血小板凝集抑制作用はベースライン時,投与開始2,6,24時間後,投与終了後4時間に評価。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
integrilin投与による血小板凝集抑制作用は2および6時間後に最大になり,最高用量群(group 1f)では24時間後の時点で70%を超える抑制作用が維持されていた。90分後に適切な血管造影が実施された170例(94%)では,TIMI grade 3の患者(66% vs 39%)および開存(TIMI grade 2または3)が認められた患者(87% vs 69%)の割合は,いずれも最高用量群(group 1f+group 2)でプラセボ群に比し有意に高く(各p=0.006,p=0.01),より完全な再灌流が得られた。ST偏差の安定状態への回復時間(中央値)は,最高用量群(group 1f+group 2)65分,プラセボ群116分と最高用量群で有意な短縮が認められた(p=0.05)。
死亡または再梗塞の発生率は,プラセボ群7.3%,integrilin投与群8.0%,最高用量群(group 1f+group 2)7.8%,複合エンドポイント発生率は各41.8%,44.8%,43.1%と差はみられなかった。

●有害事象
重篤な出血性合併症の発症は,integrilin投与群4%,プラセボ群5%と同等であり,最高用量群では認められなかった。

文献: [main] Ohman EM, et al for the IMPACT-AMI Investigators. Combined accelerated tissue-plasminogen activator and platelet glycoprotein IIb/IIIa integrin receptor blockade with Integrilin in acute myocardial infarction. Results of a randomized, placebo-controlled, dose-ranging trial. Circulation 1997; 95: 846-54. pubmed
関連トライアル Canadian Lamifiban Study, CLARITY-TIMI 28, COBALT, DUCCS 1, DUCCS-II, ECSG 1992, ESPRIT 2000, ESPRIT 2001, GUSTO III, GUSTO-I 1993, Harrington RA et al, HART 1990, HIT-III, IMPACT-I, Kereiakes DJ et al 1996, MINT, OPUS-TIMI 16, PACT, PARAGON-A, PRISM, PRISM-PLUS 1998, PRISM-PLUS 1999, PURSUIT 1998, PURSUIT 1999, RAPID II, RAPT, RESTORE, Schulman SP et al, SEPIA-ACS1 TIMI 42, SPEED(GUSTO-IV Pilot), SYMPHONY, TIMI 10B, TIMI 14, TIMI 5, TIMI 6, TIMI 9A, TIMI 9B, TROICA
関連記事