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Minar E et al Comparison of effects of high-dose and low-dose aspirin on restenosis after femoropopliteal percutaneous transluminal angioplasty
結論 低用量aspirin(100mg/日)による大腿-膝窩動脈経皮的血管形成術(PTA)施行後の再狭窄抑制効果は高用量(1,000mg/日)と同等であり,かつ有害事象の発生率が低いことが示された。

目的 経皮的血管形成術(PTA)施行患者において,抗血小板薬aspirinの高用量(1,000mg/日)および低用量(100mg/日)の血管の長期開存性に対する効果を比較検討。
デザイン ランダム化,オープン,intention-to-treat解析。
セッティング 単施設。オーストリア。
期間 追跡期間は24ヵ月。登録期間は1987年1月~1989年6月。
対象患者 216例(男性121例,女性95例)。34~80歳(中央値66歳)。登録期間中に大腿-膝窩動脈疾患のためにPTAを施行した連続した320例からスクリーニング。3ヵ月以上の跛行の既往,または組織損傷の有無にかかわらず安静時疼痛を有する患者。血管造影により大動脈腸骨動脈に十分な血流が確認された患者。
【除外基準】PTA不成功例,3日間以内の早期再発,外科的介入を要する合併症,最近の胃・十二指腸潰瘍の既往,前回のPTA施行後の再狭窄による治療,余命2年未満の重篤な疾患,重篤な腎不全,非ステロイド性抗炎症薬の継続投与の必要性など。
治療法 高用量aspirin 1,000mg/日(分2)投与群(107例),低用量aspirin 100mg/日投与群(109例)にランダム化。施行前1時間以内にaspirin 500mgを静注し,2日間継続投与。術中にheparin 5,000IUを静注,施行直後は1,000IU/時を3日間投与[プロトロンビン時間を正常の3倍に維持するため,2,000IU/時(分2)に用量調整]。術後3日以内に再狭窄を生じなかった患者に投与を開始。試験薬以外のaspirin含有製剤および非ステロイド性抗炎症薬の投与は不許可。
PTA施行直後,退院後(施行後4~5日),1,3,6,12および24ヵ月後のフォローアップ検査を実施。
追跡完了率 追跡完了率は95.8%(207例:高用量群102例,低用量群105例)。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
50%以上の再狭窄は72例(高用量群36例,低用量群36例),うち完全閉塞は26例(12例 vs 14例)と両群間で有意差なし。24ヵ月後の累積開存率は高用量群62.5%,低用量群62.6%と有意差はなく,treatment解析においても同様であった(63.1% vs 60.7%)。下肢の切断例は認められず,死亡は27例(高用量群14例,低用量群13例)であった。24ヵ月の累積生存率は高用量群86.6%,低用量群87.7%と有意ではなかった。
投与中止は高用量群30例,低用量群11例であり,低用量群で有意な抑制がみられた(p<0.01)。ランダム化から投薬中止までの期間の中央値は,高用量群2ヵ月,低用量群3ヵ月。

●有害事象
投与中止理由は上胃部疼痛,悪心,嘔吐が高用量群20例,低用量群4例と有意差が認められた(p<0.01)。致死性の出血性合併症の発症は両群でみられなかった。

文献: Minar E, et al. Comparison of effects of high-dose and low-dose aspirin on restenosis after femoropopliteal percutaneous transluminal angioplasty. Circulation 1995; 91: 2167-73. pubmed
関連トライアル ARPA, D'Addato M et al, Harker LA et al, Heiss HW et al, LARA, Taylor RR et al
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