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VA Cooperative Study 1989 Veterans Administration Cooperative Study
結論 冠動脈バイパスグラフト術施行後1年における静脈グラフトの開存性はaspirin投与により改善され,特に内径2.0mm以下の血管で高い効果が得られた。術後早期に開存が認められた静脈グラフトでは,その後1年間の新たな閉塞の発生に,aspirin群とプラセボ群との有意差は認めなかった。

目的 冠動脈バイパスグラフト術施行患者において,4種の抗血小板療法による伏在静脈グラフトの早期および遠隔期における開存性に対する効果を比較検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検。
セッティング 多施設(12病院)。アメリカ。
期間 追跡期間は1年(中央値367日)。施行期間は1983年6月~1986年7月。
対象患者 502例(男性)。待機的冠動脈バイパスグラフト術施行患者。90%以上が狭心症患者。
治療法 aspirin 325mg/日投与群(104例),aspirin 975mg/日(分3)投与群(96例),aspirin 975mg+dipyridamole 225mg/日(分3)併用投与群(99例),sulfinpyrazone 801mg/日(分3)投与群(96例),プラセボ群(107例)にランダム化。
dipyridamoleおよびsulfinpyrazoneは施行48時間前から投与開始。aspirinは施行12時間前に325mgを単回投与。施行6時間後から投与を再開し,経口投与が可能になるまで経鼻的胃チューブにて8時間ごとに投与。投与期間は1年。
術前,術後早期(中央値9日),遠隔期(中央値367日)に血管造影を実施し,静脈グラフトの開存性を評価。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
早期のグラフト閉塞率は,aspirin群でプラセボ群に比し減少がみられた。術後1年(遠隔期)の閉塞率は,aspirin群(406例,1,315グラフト)で15.8%,プラセボ群では22.6%とaspirin群で有意に低下した(p=0.029)。また,aspirin 325mg投与群(340グラフト)の閉塞率は13.2%,aspirin 975mg投与群(315グラフト)16.8%,aspirin+dipyridamole群(315グラフト)17.5%,sulfinpyrazone群(303グラフト)18.2%であり,aspirin 325mg投与群とプラセボ群間に有意差が認められた(p=0.050)。
内径2.0mm以下の遠位血管に移植された静脈グラフト(804グラフト)の閉塞率は,aspirin群20.1%,プラセボ群32.3%と,aspirin群で有意に低下した(p=0.008)。一方,内径が2.0mmを超える遠位血管に移植された静脈グラフト(511グラフト)の閉塞率は両群に差は認められなかった(8.7% vs 9.0%,p=0.918)。
術後早期に開存が認められた静脈グラフト(353例,1,043グラフト)における1年後の閉塞率は, aspirin群8.7%,プラセボ群9.4%と両群間に差はみられず(p=0.763),内径2.0mm以下の遠位血管に移植された静脈グラフト(271例,552グラフト)においても同様であった(10.0% vs 9.8%,p=0.960)。

●有害事象
最も頻度の高い合併症は,カウンターショックを要する心室頻拍または心室細動の7例であった。

文献: Goldman S, et al. Saphenous vein graft patency 1 year after coronary artery bypass surgery and effects of antiplatelet therapy. Results of a Veterans Administration Cooperative Study. Circulation 1989; 80: 1190-7. pubmed
関連トライアル Agnew TM et al, Antiplatelet Therapy after Coronary Artery Bypass Graft Surgery, Baur HR et al, Brooks N et al, Brown BG et al, CABADAS, Chesebro JH et al 1982, Chesebro JH et al 1984, D'Addato M et al, DAC, Ekeström SA et al, Gavaghan TP et al, GESIC, Guiteras P et al, Hockings BE et al, Kohler TR et al, Limet R et al, McCollum C et al, McEnany MT et al, Pantely GA et al, Pfisterer M et al, Pirk J et al 1990, Rajah SM et al 1985, Rajah SM et al 1994, Sharma GV et al, Sreedhara R et al, Thaulow E et al, VA Cooperative CABG, Veterans Affairs Cooperative Study, Veterans Affairs Cooperative Trials
on Antiplatelet Therapy after CABG
, White HD et al, Yli-Mäyry S et al
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