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Kereiakes DJ et al 1996 Randomized, double-blind, placebo-controlled dose-ranging study of tirofiban (MK-383) platelet IIb/IIIa blockade in high risk patients undergoing coronary angioplasty
結論 高リスクの冠動脈形成術施行患者において,tirofiban 10μg/kgボーラス+0.10μg/kg/分静注投与により,急速・強力な血小板凝集阻害作用が得られ,出血リスクも増大させなかったことから,本用量の安全性と忍容性の高さが示された。tirofibanによる術後の虚血性合併症に対する抑制効果については,より大規模な臨床試験の実施が必要である。

目的 高リスクの冠動脈形成術施行患者において,血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬tirofibanのheparinおよびaspirin併用下における安全性と忍容性,薬力学的および薬物動態的特性,有害事象への影響を検討。
臨床エンドポイント:死亡,施行後24時間以内および入院中の緊急血行再建術,非致死性心筋梗塞(MI)。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検。
セッティング 多施設(9施設)。アメリカ。
期間 -
対象患者 93例。18~75歳。以下の疾病に対する冠動脈形成術施行患者:安静時狭心症(発症後5日以内),狭心症の再発(MI発症後24時間以上5日未満),ACC/AHA Task Force Reportの病変形態分類のType BおよびC病変を含む複雑病変。
【除外基準】妊娠の可能性,過去24時間以内の血栓溶解療法の施行歴,重度のび慢性多枝冠動脈硬化症,コントロール不能な不整脈,出血性疾患または出血リスクの増大および既往,脳卒中または頭蓋内病変の既往など。
治療法 下記の各panelの患者をtirofiban群(73例)とプラセボ群(20例)に3:1の割合でランダム化。
panel I:tirofiban 5μg/kgボーラス投与後,0.05μg/kg/分静注またはプラセボ群。panel II:tirofiban 10μg/kgボーラス投与後,0.10μg/kg/分静注群またはプラセボ群。panel III:tirofiban 10μg/kgボーラス投与後,0.15μg/kg/分静注群またはプラセボ群。静注は16~24時間継続。
全例に施行前にaspirin 325mg投与。術中にheparinボーラス静注(初回用量1万U,以降2,000U:活性化凝固時間を300~350秒に維持)。術後,heparin 1,000U/時静注(活性化部分トロンボプラスチン時間を60~80秒を目標に維持)。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
tirofiban群(panel IIおよびIII)では,投与5分後に93~96%のADP誘発性血小板凝集阻害作用が認められ,この作用は投与中高いレベルで維持された(tirofiban群 vs プラセボ群:p<0.001)。また,阻害作用には用量依存性が認められ,3群間に有意差がみられた(p<0.001)。出血時間の中央値はtirofiban群(panel IIおよびIII)で30分を超え,プラセボ群との間に有意差がみられた(各p=0.003,p=0.001)。投与終了後,阻害作用は速やかに消失し,4時間後には50%未満であった。
臨床エンドポイントの発生率はいずれの群でも低く,血行再建術の施行はtirofiban群で少ない傾向がみられたが(プラセボ群5.0% vs tirofiban群2.7%),有意ではなかった。

●有害事象
出血性イベントの多くは血管アクセス部位に関連しており,発生率はpanel I 4.8%,panel II 3.3%,panel III 13.6%,プラセボ群5.0%とtirofiban高用量でやや増加した。

文献: Kereiakes DJ, et al. Randomized, double-blind, placebo-controlled dose-ranging study of tirofiban (MK-383) platelet IIb/IIIa blockade in high risk patients undergoing coronary angioplasty. J Am Coll Cardiol 1996; 27: 536-42. pubmed
関連トライアル 3T/2R, Canadian Lamifiban Study, CARPORT, Cohen M et al, EPIC 1994, EPIC 1994, EPIC 1995, EPIC 1995, EPIC 1996, ESPRIT 2000, EXCITE, Finci L et al, Fornaro G et al, Friedman HZ et al, Harrington RA et al, IMPACT-AMI, IMPACT-I, IMPACT-II 1997, IMPACT-II 1998, J-LANCELOT, LARA, M-HEART II, On-TIME 2, On-TIME 2 pooled analysis, PARAGON-A, PRISM, PRISM-PLUS 1998, PRISM-PLUS 1999, RESTORE, Schulman SP et al, SEPIA-ACS1 TIMI 42, TAUSA
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