抗血栓トライアルデータベース
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Harter HR et al Prevention of thrombosis in patients on hemodialysis by low-dose aspirin
結論 低用量aspirin(160mg/日)は血液透析患者に対する抗血栓療法として有効であり,かつ安全であることが示された。

目的 慢性血液透析患者において,抗血小板薬aspirin(160mg/日)によるシャントへの血栓形成に対する予防効果を検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検。
セッティング 単施設。アメリカ。
期間 追跡期間は平均約5ヵ月(対象症例中24例に血栓が生じるまで追跡)。
登録期間は1977年4月~1978年12月。
対象患者 44例。血液透析の血管アクセスのために動静脈シャント(手首または前腕部)を造設した患者(連続した49例から44例を解析)。
【除外基準】最近の消化管出血の既往,aspirinにアレルギーなど。
治療法 aspirin 160mg/日投与群(19例:女性8例,男性11例,平均年齢53.3歳)とプラセボ群(25例:女性16例,男性9例,平均年齢46歳)にランダム化。シャント造設から1ヵ月後に投与開始。血小板機能や血液凝固に影響をおよぼす他の薬剤の投与は,透析時のheparin投与を除き不許可。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
1ヵ所以上の血栓形成の発生は,aspirin群6例(32%),プラセボ群18例(72%)であり,aspirin群で有意に抑制された(p<0.01)。血栓形成の総数はaspirin群で14件,プラセボ群で53件。aspirin群では0.16件/人・年であり,プラセボ群0.46件/人・年よりも有意に少なかった(p<0.005)。輸血を必要とした例は,aspirin群5例,プラセボ群13例。輸血の有無による血栓イベントの発生に有意差はみられなかった(輸血を行った患者群9/18例,輸血を行わなかった患者群15/26例)。血液透析の期間が6ヵ月未満の患者における血栓イベント発生は,aspirin群4/16例,プラセボ群11/17例であり有意差がみられた(p<0.025)。

●有害事象
消化管出血の発生は両群において認められなかった。

文献: Harter HR, et al. Prevention of thrombosis in patients on hemodialysis by low-dose aspirin. N Engl J Med 1979; 301: 577-9. pubmed
関連トライアル Cadroy Y et al, CHARISMA, Chesebro JH et al 1982, Chesebro JH et al 1984, Danish Very-Low-Dose Aspirin Trial, De Caterina R et al, ECLAP, Kaegi A et al
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