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Wirecki M Treatment of angina pectoris with dipyridamole: a long-term double blind study
結論 狭心症患者におけるdipyridamoleの長期投与は有効であり,かつ忍容性に優れていた。また,他の冠拡張薬が奏効しない一部の患者においても効果が認められた。

目的 慢性狭心症患者に対する冠拡張薬dipyridamole長期投与の効果を検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検。
セッティング 単施設。アメリカ。
期間 追跡期間は13ヵ月。
対象患者 56例(男性26例,女性30例)。33~78歳。50%以上が>50歳。虚血性心疾患(狭心症発作の発症歴を有し,心電図所見にてST低下およびT波陰転などが認められる場合)による慢性狭心症患者。
治療法 4ヵ月の観察期間後,dipyridamole 150mg/日(分3)投与群(28例)とプラセボ群(28例)にランダム化。7ヵ月(2例では4~5ヵ月)の二重盲検相後,さらに2ヵ月の観察期間を設定。
試験前に投与されていた持続性冠拡張薬は,二重盲検相およびその後の観察期間中は投与中止。急性発作の軽減にはnitroglycerinを投与。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
dipyridamole群では22例(78.6%)で十分な改善効果(excellentまたはgood)が得られたが,プラセボ群では改善例は認められず,fairが3例,poorが25例であり,両群間に有意差が認められた(p<0.001)。
dipyridamole群で十分な改善が得られた22例中,20例で狭心症発作とnitroglycerin投与の必要性が消失した(2~6回/日→0回)。また,歩行距離は4~6倍またはそれ以上に延長した(2~12ブロック→15~75ブロック)。患者個々の改善レベルごとの比較においても,dipyridamole群で有意な改善が認められた(p<0.001)。
dipyridamole投与の有効性は,投与開始2~4ヵ月後から認められ,3~6ヵ月後に最大であった。18例では,二重盲検相後の観察期間においても改善状態が維持された。dipyridamole群のうち,観察期間中に持続性硝酸薬を投与されていたが改善が認められなかった22例の検討では,17例(77%)でdipyridamole投与により十分な改善効果(excellentまたはgood)が得られた。
[改善度の定義] 
excellent:狭心症発作およびnitroglycerin投与の必要性が認められない,歩行距離が6倍以上に延長,有害事象が認められない。good:狭心症発作が認められないまたは軽度かつ短時間の発作がまれに発生,nitroglycerin投与の必要が認められないまたは最小限,歩行距離が4倍以上に延長,有害事象が認められない。fair:狭心症発作の回数,程度,持続時間が50%以上改善,nitroglycerin投与の必要性が50%以上減少,歩行距離が2倍以上に延長,有害事象が認められないまたは最小限。poor:改善が認められない,または治療前より悪化。

●有害事象
いずれの群においても有害事象は認められなかった。

文献: Wirecki M. Treatment of angina pectoris with dipyridamole: a long-term double blind study. J Chronic Dis 1967; 20: 139-45. pubmed
関連トライアル Sbar S et al
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