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AMIS Aspirin Myocardial Infarction Study
結論 心筋梗塞(MI)既往患者において,aspirinは非致死性MIの発症抑制に有効である可能性が示唆されたが,全死亡への有用性は認められず,かつ有害事象の発生を増加させた。本結果からは,MI既往患者へのaspirin(1,000mg/日)のルーチン投与は推奨されない。

目的 心筋梗塞(MI)既往患者において,抗血小板薬aspirinの通常投与による全死亡への影響を検討。また,冠動脈疾患(CHD)死(MIによる死亡,突然死を含む),冠動脈イベント(CHD死または非致死性MI),非致死性および致死性脳卒中に対するaspirinの効果を検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(30施設)。アメリカ。
期間 追跡期間は平均38.2ヵ月(最小3年)。1979年8月追跡終了。
対象患者 4,524例。30~69歳(aspirin群,プラセボ群ともに平均54.8歳)。MI確認後8週~5年の患者。
【除外基準】aspirinに忍容性のない患者,重篤な潰瘍,心血管外科手術,コントロール不能な高血圧症,抗凝固薬・aspirin・dipyridamole・sulfinpyrazone投与を受けている患者。
治療法 aspirin 1,000mg/日(分2)群(2,267例)とプラセボ群(2,257例)にランダム化。
追跡完了率 生存率に関する非追跡完了(試験終了時)は9例(0.2%:aspirin群4例,プラセボ群5例)。全追跡(対象患者の3ヵ月ごとの追跡:計45,743回)の6.4%が非完了(aspirin群5.6%,プラセボ群6.2%)。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
追跡期間における全死亡率はaspirin群10.8%,プラセボ群9.7%。3年間の全死亡率はaspirin群9.6%,プラセボ群8.8%であり,両群間に差は認められなかった。非致死性MI再発はaspirin群6.3%,プラセボ群8.1%とaspirin群で22%抑制された。また,脳卒中発症もaspirin群1.2%,プラセボ群2.0%とaspirin群で40%の抑制が認められた。aspirinによる死亡および非致死性心血管イベント抑制効果に性差はみられなかった。冠動脈イベント(CHD死または非致死性MI)は,aspirin群14.1%に比し,プラセボ群で14.8%であった。

●有害事象
消化性潰瘍,胃炎,または胃粘膜びらんの発症は,aspirin群23.7%,プラセボ群14.9%であり,aspirin群で多くみられた。また,aspirin群においてプラセボ群に比し,消化管不良を訴える患者数が3倍であった。

文献: [main] Aspirin Myocardial Infarction Study Research Group. A randomized, controlled trial of aspirin in persons recovered from myocardial infarction. JAMA 1980; 243: 661-9. pubmed
関連トライアル AAASPS 2003, AICLA, ART, BDT, Cardiff-1, CAST, CDPA, COMMIT, CREDO, Danish Very-Low-Dose Aspirin Trial, Elwood PC et al 1979, Elwood PC et al 1979, ESPRIT 2001, ETDRS 14, FRISC, Gurfinkel EP et al, Harter HR et al, ISIS-2 10 year survival, JAMIS, PARIS-I, PARIS-II, PHS, Physicians' Health Study 1990, PURSUIT 1998, RESTORE, Schulman SP et al, SWISSI II, TIMI IIIB 1995, TPT, Turpie AG et al 1993, VA-main, Verheugt FWA et al, WHS
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