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Baur HR et al Effects of sulfinpyrazone on early graft closure after myocardial revascularization
結論 伏在静脈バイパスグラフト施行24時間後のsulfinpyrazone投与は,血流速度が>30mL/分のグラフトの早期閉塞を抑制することが示唆された。

目的 伏在静脈バイパスグラフト術施行患者において,sulfinpyrazoneの術後早期の閉塞抑制効果を検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照。
セッティング 単施設。アメリカ。
期間 追跡期間は14日。施行期間は1977年11月~1979年4月。
対象患者 255例。平均年齢sulfinpyrazone群55.7歳,プラセボ群56.1歳。
【除外基準】心筋梗塞の既往,呼吸あるいは血行力学的問題を有する患者,グラフト血管造影の施行予定のない患者,術中の死亡,術後7日以前に予定されたグラフト血管造影例など。
治療法 sulfinpyrazone投与群(130例):800mg/日(分4)を術後24時間から投与を開始し6日以上投与,プラセボ群(125例)にランダム化。
グラフトの開存性は術後7~14日のグラフト血管造影で評価。
追跡完了率 脱落率は28.6%(73例:sulfinpyrazone群41例,プラセボ群32例)。
【脱落理由】医師の判断による抗血小板薬投与(27例)・抗凝固療法実施(14例),術中のMI発症(11例)など。
結果

●評価項目
分析例は182例431グラフト(sulfinpyrazone群89例・212グラフト,プラセボ群93例・219グラフト)。
早期閉塞率はsulfinpyrazone群3.8%(8グラフト),プラセボ群9.1%(20グラフト)であった(p<0.025)。各群のグラフト閉塞の起こった病変部位は,左前下行枝(3.1%:3/98 vs 9.9%:11/111グラフト,p<0.05),左冠動脈回旋枝(6.0%:3/50 vs 11.6%:5/43グラフト,有意差なし),右冠動脈(3.1%:2/64 vs 6.2%:4/65グラフト,有意差なし)であった。血流速度が<30mL/分の場合,グラフトの閉塞率に群間差はみられなかった(15.4%:4/26 vs 27.3%:6/22グラフト)。sulfinpyrazoneは血流速度が>30mL/分の場合,グラフトの早期閉塞を抑制する可能性が示唆された。

●有害事象
有害事象はsulfinpyrazoneによるものと思われる1例(悪心および嘔吐)のみ。

文献: Baur HR, et al. Effects of sulfinpyrazone on early graft closure after myocardial revascularization. Am J Cardiol 1982; 49: 420-4. pubmed
関連トライアル Cade JF et al, Chesebro JH et al 1982, Chesebro JH et al 1984, Limet R et al, Post CABG, RESTORE, VA Cooperative CABG, VA Cooperative Study 1989
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