抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
Bollinger A et al Antiplatelet drugs improve the patency rates after femoro-popliteal endarterectomy
結論 抗血小板療法は,忍容性が良好である場合には,血管内膜切除術後の動脈の長期開存性を有意に改善することが示された。

目的 大腿-膝窩動脈内膜除去術成功例において,抗血小板療法(aspirin単独またはaspirin+dipyridamole併用)と抗凝固療法による開存性への効果について比較検討。
デザイン ランダム化,二重盲検(抗血小板療法群),オープン(抗凝固療法群)。
セッティング 単施設。スイス。
期間 追跡期間は2年間。登録期間は1974~1979年。1981年試験終了。
対象患者 120例(男性91例,女性29例)。
【除外基準】緊急外科手術施行患者。
治療法 全例に,術後直ちに経口抗凝固薬(warfarin)を投与。臨床所見および血管造影所見の良好な患者を,施行後10~14日後に以下の3群にランダム化。
aspirin 990mg/日(分3)単独投与群(40例),aspirin 990mg+dipyridamole 225mg/日(分3)併用投与群(41例),抗凝固療法群(39例)。ランダム化後,抗血小板療法群においては経口抗凝固薬の投与を中止。
追跡完了率 投与中止例は18例(15%:aspirin群8例,aspirin+dipyridamole群9例,抗凝固療法群1例)。
【脱落理由】抗血小板薬による消化管不耐性など。
結果

●評価項目
2年後の累積開存率は,aspirin単独群84%,aspirin+dipyridamole併用群76%であり,両群の差は統計的有意ではなかった。抗血小板療法群における累積開存率は80%,抗凝固療法群では58%。aspirin群と抗凝固療法群,抗血小板療法群と抗凝固療法群間の2年後の累積開存率には有意差が認められたが(各p<0.02),併用群と抗凝固療法群には有意差はなかった。多くの再狭窄は術後6ヵ月以内に生じており,2年目での再発例は少なかった。抗血小板療法群での開存率に性差はみられなかった(2年開存率:女性88%,男性76%)。開放手術を受けた患者と半閉鎖手術を受けた患者における2年後の開存率の比較では,半閉鎖手術を受けた患者において有意に低かった(p<0.02)。開放手術を受けた患者に限ると,2年開存率はaspirin群92%,併用群80%,抗凝固療法群63%であり,抗凝固療法群に比しaspirin群で有意に高かった(p<0.05)。上腕-足関節間収縮期圧較差に関しては3群間に差はみられなかった。また,投与中止18例における開存率56%は抗凝固療法の58%と同様に低率であった。

●有害事象
主な有害事象は,抗血小板療法群の胃腸管障害(9例,11.1%)であり,非致死性の出血性合併症は抗凝固療法群で2.5%発生した。

文献: Bollinger A, et al. Antiplatelet drugs improve the patency rates after femoro-popliteal endarterectomy. Vasa 1985; 14: 272-9. pubmed
関連トライアル Hess H et al, McCollum C et al
関連記事