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Balsano F et al Ticlopidine in the treatment of intermittent claudication: a 21-month double-blind trial
結論 慢性閉塞性動脈疾患患者に対するticlopidineの長期投与は歩行能力と足関節/上腕血圧比を有意に改善することが示された。

目的 慢性閉塞性動脈疾患患者において,抗血小板薬ticlopidineの経口投与により跛行距離の改善および足関節収縮期血圧の改善への効果と長期投与による影響を検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(2ヵ国)。イタリア,ベルギー。
期間 追跡期間は21ヵ月。
対象患者 151例。35~75歳。
以下の条件をすべて満たす慢性閉塞性動脈疾患患者。
1)典型的な間欠性跛行の発症から6ヵ月以上,2)トレッドミルにより間欠性跛行が発生する距離が300m以下,3)跛行肢の安静時足関節/上腕血圧比≦0.9,4)足関節/上腕血圧比が運動負荷3分後にさらに低下。
【除外基準】年齢>75歳,過去6ヵ月以内の血管形成術・血管外科手術の施行歴,血栓溶解薬の服用歴,安静時疼痛または虚血性皮膚潰瘍,トレッドミル試験または超音波検査が施行不可能,重篤な腎および肝疾患,出血の既往,経口抗凝固薬・抗血小板薬の併用。
治療法 3ヵ月のプラセボrun-in期間(単盲検)後,ticlopidine 500mg/日(分2)投与群(76例)とプラセボ群(75例)にランダム化。トレッドミル試験で間欠性跛行が発生する距離および最大歩行距離,安静時および運動負荷試験後の足関節/上腕血圧比を3ヵ月ごとに測定。
追跡完了率 試験完了率は79.5%(120例)。
【脱落理由】試験への協力の拒否(9例),有害事象による投与中止(6例),死亡,重篤な心血管イベントによる投与中止,プロトコール逸脱(各4例)など。
結果

●評価項目
無症状歩行距離は両群において改善がみられたが,ticlopidine群において有意であった(2p<0.01)。同様に,最大歩行距離も両群で改善がみられ,治療開始3ヵ月後から終了時におけるticlopidine群で有意差がみられた(2p<0.001)。プロトコールに適合しない25例を除外した二次分析では,無症候歩行距離の改善に有意性は認められなかったが,最大歩行距離についてはticlopidine群で有意に改善された(2p<0.01)。また,足関節/上腕血圧比はintention-to-treat解析,二次解析においてticlopidine群で有意に改善し,その効果は終了時まで持続した。
血小板数,血清クレアチニン値,アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ値,アラニンアミノトランスフェラーゼ値,アルカリホスファターゼ値,γ-グルタミルトランスフェラーゼ値,HDLコレステロール値,トリグリセリド値に関しては,両群において変化は小さく,統計的有意差は認められなかった。

●有害事象
重篤な有害事象は両群でみられなかったが,ticlopidine群において胃痛,悪心,嘔吐,下痢,便秘,腹部痙攣の発生率が有意に高かった。

文献: Balsano F, et al. Ticlopidine in the treatment of intermittent claudication: a 21-month double-blind trial. J Lab Clin Med 1989; 114: 84-91. pubmed
関連トライアル ACT, Adriaensen H, Aukland A et al, Ciuffetti G et al, EMATAP, Giansante C et al, Holm J et al, Jones NAG et al, Limet R et al, STIMS, Verhaeghe R et al
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