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Verhaeghe R et al Controlled trial of suloctidil in intermittent claudication
結論 慢性閉塞性末梢動脈疾患患者において,suloctidilは跛行症状の改善,特に跛行痛を伴う場合に有効であることが示唆されたが,臨床的意義に関しては限界が認められた。

目的 慢性閉塞性末梢動脈疾患患者において,抗血小板薬suloctidilの歩行距離,下肢血流,遠位血圧に対する効果を検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,単盲検,二重盲検。
セッティング 単施設。ベルギー。
期間 追跡期間は13ヵ月。run-in期間(プラセボ投与:単盲検)3ヵ月+二重盲検相6ヵ月+単盲検相4ヵ月。
対象患者 63例。平均年齢59歳。アテローム硬化性動脈疾患による末梢動脈疾患患者。典型的な間欠性跛行の既往患者。
治療法 3ヵ月のrun-in期間(全例プラセボ投与)後,suloctidil 300mg/日(分3)投与群(23例)とプラセボ群(22例)にランダム化(6ヵ月投与:二重盲検相)。その後,二重盲検相において跛行距離の10%改善が認められなかった患者にsuloctidil 600mg/日を投与し,10%改善した患者はプラセボ投与に切り替え(4ヵ月投与:単盲検相)。
トレッドミルによる歩行距離の測定は,開始時は時速3.5km/時,傾斜角5%,3分間で測定し,その後,3分ごとに時速0.5km/時,傾斜角5%ずつ増加して測定。
追跡完了率 脱落例はrun-in期間中12例(19.0%),二重盲検相でさらに6例(9.5%:全体で28.6%)。
【脱落理由】血管外科手術施行,試験薬不耐性など。
結果

●評価項目
プラセボ投与のrun-in期間では,全例で歩行距離が有意に増加した。ランダム化後の歩行距離の増加は,suloctidil群(74±23m,p<0.01),プラセボ群(41±18 m,p<0.05)。二重盲検相では,プラセボ群において最大歩行距離が,投与開始時と比較して6ヵ月後で有意に増加した(44±20m,p<0.05)。一方,suloctidil群における二重盲検相での歩行距離の増加は有意ではなかった(29±15m)。跛行以外の理由(狭心症や疲労)での脱落例を除くと,プラセボ試験終了時での最大歩行距離の増加は,suloctidil群(57±28m,p>0.05),プラセボ群(38±19m,p>0.05)と,各群で有意差は認められなかった。
二重盲検相においては両群において歩行距離の改善はみられなかったが,4ヵ月の単盲検相で2倍量のsuloctidil群で歩行距離がベースライン時まで回復し,有意差を示した(50±16m,p<0.01 vs 41±22m,p>0.05)。また,二重盲検相においてsuloctidil群の歩行距離が増加した18例(308±34~355±40m)では,単盲検相で最大歩行距離が378±46mへ改善。改善がみられなかったsuloctidil群の5例は(416±79~380±68m),4ヵ月間の2倍量のsuloctidil投与後,最初の歩行距離へ回復した(413±52m)。
安静時の下肢血流量と遠位血圧の変化は両群で同等であり,全下肢または異常血流を示した下肢においても同程度であった。跛行痛のある下肢における解析では,suloctidil群においてのみ有意な改善が認められた。

●有害事象
重篤な有害事象は両群において認められなかった。

文献: Verhaeghe R, et al. Controlled trial of suloctidil in intermittent claudication. J Cardiovasc Pharmacol 1981; 3: 279-86. pubmed
関連トライアル ACT, Adriaensen H, Aukland A et al, Balsano F et al, Gent M et al 1985, Holm J et al, Jones NAG et al, Libretti A et al, Mahler F et al, Signorini GP et al
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