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Barnett AH et al Specific thromboxane synthetase inhibition and albumin excretion rate in insulin-dependent diabetes
結論 インスリン依存型糖尿病患者へのUK-38,485の長期投与は微量アルブミン尿の減少に有効であることが示唆された。

目的 インスリン依存型糖尿病患者への抗アレルギー薬UK-38,485の長期投与によるアルブミン排泄率(AER)への影響を検討。
デザイン 試験I:ランダム化,プラセボ対照,二重盲検。
試験II:対照。
セッティング イギリス。
期間 試験I:追跡期間は20週間。
試験II:追跡時間は4時間。
対象患者 試験I:糖尿病患者30例。インスリン依存型糖尿病の罹患から5年以上,タンパク尿陰性,正常な血漿クレアチニン値,網膜障害のない,またはごく軽微な患者,インスリン1日2回投与で良好にコントロールされている患者,正常血圧(≦130/80mmHg),他の薬剤投与を受けていない患者。
試験II:糖尿病患者6例(男性),健常者6例(男性)。平均年齢:糖尿病患者27歳,対照群:22歳。糖尿病患者:合併症のないインスリン依存型糖尿病患者(罹患期間は平均7.5年)。健常者(対照群):体重を糖尿病患者とマッチさせた糖尿病家族歴を有さない男性健常者。
治療法 試験I:4週間のrun-in期間(プラセボ投与,単盲検)後,UK-38,485 100mg/日(分2)投与群(15例:男性8例,女性7例)とプラセボ群(15例:男性4例,女性11例)にランダム化。抗プロスタグランジン薬の投与は禁止。投与開始4週,2週前,ベースライン時および投与開始後8,16週後に検査を実施。
試験II:全例にUK-38,485 100mgを単回投与。血漿トロンボキサン(TX)B2をベースライン時,投与開始後1時間ごとに4時間検査。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
試験I:ベースライン時でAERが正常範囲であった患者では,両群ともにAERの有意な変化は認められなかった。微量アルブミン尿(ベースライン時AER 20~100μg/分)はUK-38,485群6例,プラセボ群10例であり,UK-38,485群では投与後8,16週にAERは正常範囲に有意に低下したが(ベースライン時32±3μg/分→8週後11±1μg/分→16週後9±1μg/分,p<0.002),投与終了から12週間後にはベースライン時の値に戻った(29±8μg/分,p<0.01)。プラセボ群でもAERの低下がみられたが,有意ではなかった。ベースライン時から16週後のAERの平均降下率はUK-38,485群でプラセボ群に比し有意に高かった(p<0.005)。平均値(73% vs 24%),中央値(74% vs 35%)の比率においても,UK-38,485群で有意な抑制がみられた(p<0.002)。UK-38,485群ではベースライン時の最小値とAERの変化に明確な相関関係が認められたが(p<0.001),プラセボ群ではみられなかった。また,尿中クレアチニン値による補正後のAERにおいてもこの相関関係は認められた(p<0.001)。両群ともに糖化ヘモグロビン値および平均血糖値に有意な変化はみられなかった。出血時間はUK-38,485群においてベースライン時に比し4週後に有意に上昇したが(p<0.05),正常範囲内であった。血漿クレアチニン値,肝機能検査,ヘモグロビン,平均血球体積,平均血球ヘモグロビン値,白血球数には変化はみられなかった。
試験II:糖尿病群および健常者群においてTXB2値が有意に抑制され(p<0.002),4時間は持続がみられた。

●有害事象
試験I:UK-38,485群では,かすみ目4例,頭痛2例,下肢痛および痙攣1例が発生し,プラセボ群では各2,0,1例であった。

文献: Barnett AH, et al. Specific thromboxane synthetase inhibition and albumin excretion rate in insulin-dependent diabetes. Lancet 1984; 1: 1322-5. pubmed
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