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PHS Physicians' Health Study(Aspirin Component)
結論 本試験より,aspirin投与による心筋梗塞(MI)の一次予防効果が明らかにされたが,脳卒中および全心血管死に対する有意な抑制効果は認められなかった。

目的 健常男性において,抗血小板薬aspirin(低用量)が心血管死を抑制するか,またβ-カロチンが癌の発生を減少させるかを検討。
エンドポイント:心筋梗塞(MI),脳卒中,心血管死。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,2×2 factorial。
セッティング アメリカ。
期間 追跡期間は平均60.2ヵ月(45.8~77.0ヵ月)。1988年1月追跡終了。
対象患者 22,071例。40~84歳。健常男性医師。
治療法 aspirin 325mg/隔日投与群(11,037例)とプラセボ群(11,034例)にランダム化。aspirin+β-カロチン,aspirin+プラセボ,プラセボ+β-カロチン,プラセボ+プラセボのいずれか。
1,269例(aspirin群624例,プラセボ群645例)では患者の要望により腸溶錠を投与。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
(aspirin群における有意なMIリスク減少が認められた結果を受け,aspirinに関する検討は1987年12月に早期に中止された。)
MIリスクはaspirin群で44%低下(プラセボ群の439.7件/10万人・年に対して254.8件。相対リスク0.56,95%CI 0.45-0.70,p<0.00001)。脳卒中のリスクはaspirin群でわずかに上昇したが,有意差はなかった(相対リスク1.22,95%CI 0.93-1.60,p=0.15)。うち出血性脳卒中ではaspirin群の相対リスクは2.14(p=0.06)。全心血管死のaspirin群におけるリスク減少は認められなかった(相対リスク0.96,95%CI 0.60-1.54,p=0.87)。aspirin群のMIリスク減少は,特に50歳以上においてみられた(p=0.02)。また,いずれのコレステロール値においてもMIリスクは減少したが,低値群における減少が有意であった(p=0.04)。

●有害事象
aspirin群の輸血を要する出血の相対リスクは1.71,潰瘍の相対リスクは1.22(aspirin群169例,プラセボ群138例,p=0.08)であった。

文献: [main] Steering Committee of the Physicians' Health Study Research Group. Final report on the aspirin component of the ongoing Physicians' Health Study. N Engl J Med 1989; 321: 129-35. pubmed
関連トライアル AMIS, Canadian Cooperative Study 1978, CARS, CATS, CHARISMA, CREDO, EAFT 1993, Elwood PC et al 1979, Elwood PC et al 1979, ETDRS 14, Meyer JS et al, PARIS-II, Physicians' Health Study 1990, Physicians' Health Study 1991, Physicians' Health Study 1997, PPP, SALT, SAPAT, TASS 1989, TPT, Turpie AG et al 1993, WASID, WHS
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