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ISIS-pilot International Studies of Infarct Survival Pilot Study
結論 本パイロット試験では重篤な有害事象の発生が少なく,これらの抑制効果に関する信頼性の高い評価は得られなかったが,約20,000人(400施設)を対象予定とした大規模ランダム化臨床試験(ISIS-2)が進行中である。

目的 急性心筋梗塞(AMI)が疑われる患者において,血栓溶解薬streptokinase(SK)と抗血小板薬aspirinおよび/または抗凝固薬heparin併用による効果を比較検討。
デザイン ランダム化,2×2×2 factorial,intention-to-treat解析,パイロット試験。
セッティング 多施設(2ヵ国,8病院)。イギリス,オーストラリア。
期間 追跡期間は28日。ランダム化の期間は1983年6月~1985年8月。
対象患者 619例。AMI発症が疑われてから24時間以内(平均6.5時間)。
【除外基準】SK・aspirin・heparinへ明らかに適応する,または禁忌の患者(消化性潰瘍,消化管出血,脳卒中,出血性疾患,手術・蘇生術の施行歴,外傷,SK投与歴,aspirinアレルギーなど),生命に危険のある疾患を有する患者など。
治療法 1)SK 150万Uを1時間静注群(413例)とプラセボ群(206例)に2:1の割合でランダム化。
2)aspirin腸溶錠325mg/隔日(28日間継続)投与群(313例)とプラセボ群(306例)にランダム化。
3)heparin 1,000IU/時(48時間)静注群(314例)と非heparin投与群(305例)にランダム化。SK静注終了12時間後から投与開始。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
SK群ではプラセボ群に比し,非致死性再梗塞の増加(3.9% vs 2.9%)と死亡の減少(入院中:7.5% vs 9.7%,退院後:6.1% vs 8.7%)がみられたが,有意ではなかった。SK投与により脳卒中は有意に減少した(0.5% vs 2.4%,2p<0.05)。
aspirin群ではプラセボ群に比し,非致死性再梗塞(3.2% vs 3.9%)と脳卒中(0.3% vs 2.0%)の減少傾向が認められた。また,退院後の死亡は両群で同等であったが(7% vs 6.9%),院内死亡はaspirin投与により有意に減少した(6.1% vs 10.5%,2p<0.05)。
heparin群では非heparin投与群に比し,非致死性再梗塞の減少傾向がみられたが(2.2% vs 4.9%),死亡については差は認められなかった(入院中:8.0% vs 8.5%,退院後:7.0% vs 6.9%)。また,脳卒中(1.6% vs 0.7%)は増加傾向がみられた。
また,SK+aspirin群とSK+heparin群において,再梗塞の発生に差は認められなかった(SK+aspirin群3.3% vs aspirin単独群2.9%,SK+heparin群2.4% vs heparin単独群1.9%)。

●有害事象
SK投与により軽度の有害事象が有意に増加した。heparin群では非heparin投与群に比し挫傷および軽度の出血(14% vs 12%)には増加傾向がみられた。

文献: ISIS (International Studies of Infarct Survival) pilot study. Randomized factorial trial of high-dose intravenous streptokinase, of oral aspirin and of intravenous heparin in acute myocardial infarction. Eur Heart J 1987; 8: 634-42.
ISIS (International Studies of Infarct Survival) Pilot Study Investigators. Randomized factorial trial of high-dose intravenous streptokinase, of oral aspirin and of intravenous heparin in acute myocardial infarction. Eur Heart J 1987; 8(6): 634-42. pubmed
関連トライアル Anderson JL et al 1984, CAST, COMMIT, DUCCS 1, DUCCS-II, EMERAS, ESSENCE 1997, FRISC, GISSI-2 1990, GISSI-2 and the International Study, Gurfinkel EP et al, GUSTO-I 1993, GUSTO-I 1993, GUSTO-I 1995, Holdright D et al, IMPACT-AMI, ISIS-2, ISIS-2 10 year survival, ISIS-3, IST 1997, OASIS Pilot Study 1998, PARAGON-A, Ribeiro EE et al, RISC 1990, Rogers WJ et al, SCATI, Théroux P et al 1988, TIMI 4, TIMI 5, TIMI 6, Verheugt FWA et al
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