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Pfisterer M et al Trial of Low-Dose Aspirin Plus Dipyridamole Versus Anticoagulants for Prevention of Aortocoronary Vein Graft Occlusion
結論 低用量aspirinを併用した抗血小板療法は,標準的な抗凝固療法と同等に早期および遠隔期の静脈バイパス閉塞を抑制した。CABG施行後の抗血栓療法は1年以上継続すべきである。

目的 CABG施行例において,抗血小板薬と抗凝固薬による早期および遠隔期のグラフト閉塞抑制効果を比較検討。
デザイン ランダム化,二重盲検(抗血小板薬),intention-to-treat解析。
セッティング 単施設。スイス。
期間 追跡期間は1年。施行期間は1984年7月~1988年3月。
対象患者 249例。大動脈冠動脈バイパスグラフト術施行例。
【除外基準】バイパス術以外に弁置換あるいは動脈瘤切除術施行例。消化性潰瘍の既往,重篤な静脈血栓塞栓症,症候性末梢血管疾患など。
治療法 次の4群にランダム化。1)抗凝固療法12ヵ月群(59例):施行後1日目にphenprocoumon投与を開始し,患者のプロトロンビン時間に合わせて投与量を調整。2)抗凝固療法3ヵ月後プラセボ9ヵ月投与群(65例):プラセボ投与は単盲検。3)抗血小板薬12ヵ月投与群(62例):施行2日前にdipyridamole 400mg(分2)を経口投与後,施行の朝dipyridamole 400mg+aspirin 50mg/日(分2)投与を開始。4)抗血小板薬3ヵ月後プラセボ9ヵ月投与群(63例)。
追跡完了率 プロトコール逸脱率は6.4%(16例)。
【脱落理由】有害事象。
結果

●評価項目
患者背景は4群間で差はみられなかったが,グラフト血流はdipyridamole投与群で抗凝固薬群より有意に多く,aspirin投与群で40例が施術前により多量の輸血(p<0.001)を受けたが,全体の出血量に群間で有意差は認められなかった。
施行から約2週間後の冠動脈造影では,抗凝固薬群の閉塞率は19%,抗血小板薬群は16%。早期のグラフト開存率は両群とも93%であったが,multiple graftはindividual graftよりも遠位吻合部の閉塞率が高かった(12% vs 4%,p<0.001)。2週間~1年後の閉塞率は抗血栓療法群のほうが3ヵ月以降プラセボを投与した群よりも低かった。同群の1年後の遠位吻合部における開存率は84%,プラセボ群は77%(p=0.08)。

●有害事象
死亡,心筋梗塞,重大な出血の発生率は抗凝固療法群で有意に高かったが,軽度の胃腸および脳における有害事象は抗血小板薬群で多かった。

文献: Pfisterer M, et al. Trial of low-dose aspirin plus dipyridamole versus anticoagulants for prevention of aortocoronary vein graft occlusion. Lancet 1989; 2: 1-7. pubmed
関連トライアル Agnew TM et al, Antiplatelet Therapy after Coronary Artery Bypass Graft Surgery, Bedford RF et al, Bollinger A et al, Brooks N et al, Brown BG et al, CABADAS, Chesebro JH et al 1982, Chesebro JH et al 1984, CREDO, D'Addato M et al, Ekeström SA et al, EPISTENT 1998, ESPRIT 2006, ESPS-2 1996, FRISC, GESIC, Guiteras P et al, Hess H et al, Hockings BE et al, ISAR, Kallis P et al, Limet R et al, McCollum C et al, McEnany MT et al, PARIS-II, Pirk J et al 1990, Post CABG, Rajah SM et al 1985, Rajah SM et al 1994, Schwartz L et al, Sharma GV et al, Sreedhara R et al, STARS, Steele P, Thaulow E et al, VA Cooperative CABG, VA Cooperative Study 1989, VA Cooperative Study 1989, White HD et al, Yli-Mäyry S et al, Yoon Y et al
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