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RISC 1990 Research Group on Instability in Coronary Artery Disease
結論 不安定冠動脈疾患の男性患者において,aspirin 75mg/日投与は3ヵ月後の心筋梗塞(MI)リスクを50%減少した。また,静注heparinとの併用は,入院初期のイベント抑制にさらに有効であり,重篤な出血リスクも増大させない可能性が示唆された。

目的 不安定狭心症または非Q波心筋梗塞(MI)既往患者において,抗血小板薬aspirinと抗凝固薬heparinの単独および併用投与の有効性と安全性を比較検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(8病院)。スウェーデン南東部。
期間 追跡期間は1年。登録期間は1985年5月~1988年6月。
対象患者 796例(男性)。70歳未満のCCU入院患者。
【除外基準】急性Q波MI患者,心臓弁膜症,出血リスクの増加など。
治療法 経口aspirin+プラセボ静注投与群(189例:AP群),経口プラセボ+heparin静注投与群(198例:PH群),経口aspirin+heparin静注投与群(210例:AH群),プラセボ群(199例)にランダム化。aspirin 75mg/日経口投与は1年間継続。heparinは5,000IU/mL皮下注ボーラス投与後,6時間ごとに2mL皮下注(24時間),その後6時間ごとに1.5mL皮下注(4日間)。
禁忌の場合を除き,全例に経口metoprolol 100~200mg/日を投与。胸痛治療には,必要に応じて硝酸薬,Ca拮抗薬を投与。aspirin含有製剤,非ステロイド性抗炎症薬,抗凝固薬の投与は不許可。
追跡完了率 3ヵ月後の試験薬投与は全例の95%で維持されていた。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
(本試験は,ISIS-2の発表を受け,1988年10月に早期に中止された。そのため,最短追跡期間は3ヵ月となっている。)
MIおよび死亡のリスクはプラセボ群に比し,aspirin投与群で57~69%減少した。5日後,1ヵ月後,3ヵ月後のリスク比は各0.43(95%CI 0.21-0.91),0.31(0.18-0.53),0.36(0.23-0.57)。
heparin投与はイベント発生率に影響をおよぼさなかったが,heparin+aspirin併用群において,治療開始後5日間のイベント発生率が最も低く,75%のリスク減少が認められた。

●有害事象
aspirin投与による出血性の有害事象はほとんどみられなかった。1ヵ月後の消化管症状の発現は,aspirin群,プラセボ群ともに同等であったが,3ヵ月後ではaspirin群で多くみられた(5.2~6.5% vs 0.7~1.9%)。また,aspirinに関連した有害事象による投与中止はaspirin群1.8%,プラセボ群1.3%であった。

文献: [main] The RISC Group. Risk of myocardial infarction and death during treatment with low dose aspirin and intravenous heparin in men with unstable coronary artery disease. Lancet 1990; 336: 827-30. pubmed
関連トライアル ATACS, ATACS-pilot, CLARITY-TIMI 28, CREDO, Elwood PC et al 1979, ESSENCE 1997, ESSENCE 2000, FRAX.I.S, FRIC, FRISC, FRISC II 1999, Gurfinkel EP et al, HART 1990, Holdright D et al, ISIS-pilot, Neri Serneri GG et al, OASIS Pilot Study 1998, OASIS-2, PARAGON-A, PARIS-II, PCI-CURE, Physicians' Health Study 1991, PRISM, PRISM-PLUS 1998, RISC 1991, SAPAT, Schulman SP et al, TACTICS-TIMI 18 2001, Théroux P et al 1988, TIMI 11B, TIMI IIIB 1995, TPT, TRIM, VA-main, VA-pilot, WHS
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