抗血栓トライアルデータベース
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BDT British Male Doctors
結論 aspirinによる抗血小板治療の心血管疾患に対する二次予防効果は明らかにされているが,本試験の低リスク症例における検討では,重度の脳卒中または血管死の抑制効果は認められなかった。

目的 健常男性医師において,aspirin(500mg/日)投与による脳卒中,心筋梗塞(MI)などの心血管疾患の罹患および死亡の一次予防効果を検討。
デザイン ランダム化,非盲検,intention-to-treat解析。
セッティング イギリス。
期間 追跡期間は6年。投与期間は1978年11月~1984年11月。
対象患者 5,139例。英国の健常男性医師。
【除外基準】aspirinを服用中の患者,aspirinに禁忌,消化性潰瘍・脳卒中・MIの既往。
治療法 aspirin 500mg/日投与群(3,429例:通常,または可溶性,発泡性錠剤を患者の希望に合わせて投与,希望があれば腸溶錠300mgを使用)と非投与群(1,710例)にランダム化。非投与群では,aspirinおよびaspirin含有製剤の投与は不許可。
追跡完了率 6年後の投与中止率は24.8%(678例)。
【脱落理由】消化不良(200例),出血/挫傷(68例),便秘(47例),胃腸管出血(30例)など。
結果

●評価項目
総死亡率は非投与群に比し,aspirin群で10%減少したが有意ではなく,主な死因も脳卒中またはMI以外の疾患が多かった。非致死性MIの発症率は両群で有意差は認められなかった。脳卒中の発症はaspirin群でわずかに増加したが,一過性脳虚血発作(TIA)は有意に低下した(p<0.05)。非血管死はaspirin群で15%低下し(122/3,429例 vs 72/1,710例),血管死もaspirin群で6%低下したが(148/3,429例 vs 79/1,710例),いずれも有意ではなかった。

●有害事象
非致死性の消化性潰瘍は,非投与群に比しaspirin群で多くみられたが,片頭痛発作と筋骨格における疼痛は有意に少なかった。ランダム化後1年でaspirin群の19%(全体の13%)が投与中止,その後1年に5%が投与中止。消化器症状が主な理由であったが,一部ではaspirin腸溶錠300mgへの切り替えにより症状の緩和がみられた。

文献: [main] Peto R, et al. Randomised trial of prophylactic daily aspirin in British male doctors. Br Med J (Clin Res Ed) 1988; 296: 313-6. pubmed
関連トライアル AAASPS 2003, AFTER, AMIS, CAPRIE 1996, CAPRIE 1999, CARS, CAST, CATS, COMMIT, CREDO, EAFT 1993, Elwood PC et al 1979, FRISC, HOT, ISIS-2, IST 1997, JAMIS, LASAF Pilot Study, MAST-I, Physicians' Health Study 1997, TIM, TPT, VA-main, WHS
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