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VA-pilot Veterans Administration Cooperative Study
結論 不安定狭心症患者に対するaspirin 324mg/日投与の急性心筋梗塞(AMI)抑制効果は高く,死亡率も同様に低下させることが示され,aspirinは男性のみならず女性においても不安定狭心症の治療に有効であることが示唆された。また,aspirin治療はきわめて経済的である。

目的 不安定狭心症患者において,抗血小板薬aspirinが死亡と急性心筋梗塞(AMI)の発症を抑制するかを検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,パイロット試験。
セッティング 多施設(12施設:Veterans Administration Medical Center)。アメリカ。
期間 追跡期間は12週間。
対象患者 1,266例。不安定狭心症で入院した男性。平均年齢aspirin群56.1歳,プラセボ群56.2歳。
以下の3つの症状を満たす症例:1)過去1ヵ月以内に不安定狭心症を発症し,入院の1週間前も症状が継続。2)冠動脈疾患の症状。3)心電図所見あるいは各施設での酵素測定でAMI症状が認められない。
【除外基準】NYHA IV度のうっ血性心不全,重度高血圧症,貧血,aspirinに禁忌または抗凝固療法を必要とする患者など。
治療法 aspirin投与群(625例):緩衝aspirin 324mg/日(粉剤)を水に溶かし12週間経口投与,あるいはプラセボ群(641例)にランダム化。
追跡完了率 逸脱率は1.4%(18例)。
【脱落理由】有害事象(胃腸管出血:7例,消化性潰瘍:6例など)。
結果

●評価項目
12週間後の死亡あるいはAMI発症率は,aspirin群5.0%,プラセボ群10.1%と,aspirin群で51%低下した(p=0.0005,ベースライン時の患者背景による調整後はp=0.0002)。非致死性MI発症はaspirin群で51%低下(p=0.005)。死亡率もaspirin群1.6%,プラセボ群3.3%でaspirin群において51%低下したが,有意ではなかった(p=0.054)。aspirin群でのβ遮断薬服用例では,死亡またはAMI発症率は55%低下(p=0.01),死亡率は60%低下した。

●有害事象
消化管に関する有害事象はなし。有害事象による投与中止は18例(1.3%)で,両群の発生率は同等であった。

文献: Lewis HD Jr and the Veterans Administration Cooperative Study Group. Unstable angina: status of aspirin and other forms of therapy. Circulation 1985; 72(6 Pt 2): V155-60. pubmed
関連トライアル ATACS, Canadian Multicenter Trial, Elwood PC et al 1979, ESSENCE 1997, ESSENCE 2000, FRIC, FRISC, Gurfinkel EP et al, HAS, Holdright D et al, Neri Serneri GG et al, OASIS Pilot Study 1998, OASIS-2, Physicians' Health Study 1991, PRISM, PRISM-PLUS 1998, RESTORE, RISC 1990, SAPAT, TACTICS-TIMI 18 1998, TACTICS-TIMI 18 2001, TAUSA, Théroux P et al 1988, Théroux P et al 1992, TIMI IIIB 1994, TIMI IIIB 1995, TRIM, VA-main, Williams DO et al 1986
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