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Kobayashi K et al Antithrombotic Therapy With Ticlopidine in Chronic Renal Failure Patients on Maintenance Hemodialysis--a Multicenter Collaborative Double Blind Study
結論 慢性血液透析患者のシャントおよびグラフトにおける血栓形成の予防に対し,ticlopidineの臨床上の有効性と安全性が示された。

目的 慢性血液透析を受けている腎不全患者における動静脈シャントまたはグラフトの血栓性塞栓に対する,抗血小板薬ticlopidineの有効性を検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検。
セッティング 多施設。日本。
期間 追跡期間は12週間。
対象患者 107例(男性40例,女性67例)。尿毒症で動静脈シャントまたはグラフトにより慢性血液透析を受けている患者。過去4週間以内にシャントまたはグラフトに血栓性塞栓が1回以上発生した患者。
【除外基準】消化性潰瘍,肝疾患,腎不全による貧血を除く重篤な血液疾患。
治療法 ticlopidine 200mg/日(分2)経口投与群(50例:T群)とプラセボ群(57例:P群)にランダム化。必要であればheparinを血栓除去,シャントの再構築時および血液透析時に投与。aspirinまたはdipyridamoleの投与は禁止。
追跡完了率 脱落率は6.5%(7例)。
【脱落理由】試験薬投与期間が4日のみ(2例),プロトコール逸脱(5例)。
結果

●評価項目
血栓除去の施行頻度は,投与前と比較してT群では1.18回/人・4週の有意な58.4%の減少がみられたが(p<0.01),P群では0.37回/人・4週と有意ではなかった(25.9%)。また,T群における血栓除去の頻度はP群に比し有意に抑制された(p<0.05)。シャントまたはグラフト再構築術の施行頻度においても,T群では0.29回/人・4週の有意な減少がみられたが(64.4%,p<0.01),P群では0.09回/人・4週と有意ではなかった(26.5%)。しかし,両群間における有意差は認められなかった。
以上の結果を複合した有効性の評価では,T群は改善34例,変化なし10例,悪化3例,P群では各15例,28例,10例であり,有効率はT群68%,P群30%であった。また,性別,シャントのタイプによる解析においても,T群で有効性が高かった。
T群では血清尿素,クレアチニン,リン酸,尿酸値が減少し,血小板数は有意に増加したが(p<0.05),P群では変化はみられなかった。

●有害事象
有害事象の発生は,T群で9例(18%),P群では10例(18%)であり,出血症状の発症に関しても両群で同等であった。

文献: Kobayashi K, et al. Antithrombotic therapy with ticlopidine in chronic renal failure patients on maintenance hemodialysis--a multicenter collaborative double blind study. Thromb Res 1980; 20: 255-61. pubmed
関連トライアル Fiskerstrand CE et al, Gröntoft KC et al, Tohgi H
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