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McEnany MT et al The Effect of Antithrombotic Therapy on Patency Rates of Saphenous Vein Coronary Artery Bypass Grafts
結論 CABG施行後1年あるいは2年における短期的な抗血栓療法による静脈グラフト閉塞の抑制効果は,検討するに値することが示唆された。また,治療の有効性に関しては,warfarin治療による出血性合併症の発生を考慮して評価すべきである。

目的 CABG施行後の静脈グラフトにおける長期開存率の改善効果を抗凝固薬warfarinと抗血小板薬aspirinとで比較検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検(aspirin,プラセボ)。
セッティング アメリカ。
期間 追跡期間は47ヵ月。
対象患者 216例。29~68歳。1~4本の伏在静脈バイパスグラフト(CABG)施行例。
【除外基準】経口抗凝固薬投与例(弁置換施行例,心室瘤切除術施行例,心室中隔欠損の閉塞例)など。
治療法 施術後3,4日後に投与開始。warfarin群(68例):入院中にプロトロンビン時間を決定し,退院後医師の推奨レベルのプロトロンビン時間1.5~2倍に維持。aspirin群(71例):緩衝aspirin 1,200mg/日(分2),プラセボ群(77例)にランダム化。
冠動脈造影をCABG施行後12,24ヵ月後に実施。
追跡完了率 早期の脱落率は25.5%(55例:aspirin群21例,warfarin群12例,プラセボ群22例)。
【脱落理由】患者およびかかりつけ医の非協力(23例),薬剤不耐性(6例),胃炎(5例)など。
結果

●評価項目
静脈グラフトの開存性を検討したのは施術後1~47ヵ月の111例(220グラフト)で,施術とグラフト開存率評価までの平均インターバルは21.5ヵ月。
累積的なグラフトの開存性はwarfarin群で良好な傾向にあったが(開存率:warfarin群84% vs プラセボ群72%),有意ではなかった。warfarinによる転帰の改善は,施行後24ヵ月以内に主に狭心症の再発により再検査した例で最も顕著であった。

●有害事象
重大な出血性合併症の発症はwarfarin群で4例(うち死亡1例)。グラフト閉塞の変化のほとんどは施術後6~12ヵ月後に発現したことから,抗血栓療法の効果は術後早期が最も顕著で,長期投与では効果が大幅に軽減すると推測された。

文献: McEnany MT, et al. The effect of antithrombotic therapy on patency rates of saphenous vein coronary artery bypass grafts. J Thorac Cardiovasc Surg 1982; 83: 81-9. pubmed
関連トライアル Bollinger A et al, Brooks N et al, Brown BG et al, Chesebro JH et al 1982, Chesebro JH et al 1984, Gavaghan TP et al, GESIC, Guiteras P et al, Hockings BE et al, Limet R et al, Pfisterer M et al, Pirk J et al 1986, Post CABG, Rajah SM et al 1985, Rajah SM et al 1994, Sharma GV et al, Thaulow E et al, VA Cooperative CABG, VA Cooperative Study 1989, Veterans Affairs Cooperative Study, Veterans Affairs Cooperative Trials
on Antiplatelet Therapy after CABG
, Yli-Mäyry S et al
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