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Finci L et al Sulotroban during and after coronary angioplasty. A double-blind, placebo controlled study
結論 PTCA施行中の急性イベントおよび施行後の再狭窄抑制において,sulotrobanとプラセボの有効性に差は認められなかった。

目的 抗アレルギー薬sulotrobanの冠動脈形成術施行中の急性イベント発症,および施行後の再狭窄(拡張径の50%の損失)に対する抑制効果を検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検。
セッティング 多施設(2ヵ国,2施設)。スイス,ドイツ。
期間 追跡期間は6ヵ月。
対象患者 107例。
治療法 sulotroban 3,200mg/日(分4)投与群とプラセボ群にランダム化。PTCA施行前日より投与開始,6ヵ月間継続投与。術後6ヵ月後に冠動脈造影を実施。
追跡完了率 プロトコール完了率は53.3%(57例)。
【脱落理由】コンプライアンスの低さ(16例),冠動脈形成術の不成功(14例),患者または医師の拒否(14例)など。
結果

●評価項目
primary success達成は,全対象の85%(92/107例)であり,病変ではsulotroban群86%(50/58),プラセボ群88%(51/58)と両群で差はみられなかった。合併症は8%(9/107例)で認められた(緊急CABG施行5例,心筋梗塞3例)。
プロトコールを完了した57例における再狭窄率は,sulotroban群66%(19/29例),プラセボ群61%(17/28例)であり,両群に有意差は認められなかった(p=0.78)。71例におけるintention-to-treat解析からも,primary successおよびコンプライアンスにかかわらず,再狭窄率はsulotroban群57%(20/35例),プラセボ群56%(20/36例)と両群間に差はみられなかった。
-primary success:以下すべての条件を満たした場合とした。
1)血管造影所見で狭窄が正常内腔径の30%以上の改善。
2)30 mmHg以下の残存圧較差。
3)心電図上のQ波,または血液検査(クレアチンキナーゼが正常値の3倍以上)で緊急CABGを要する非心筋梗塞発症の生存者。
4)NHYA心機能分類および/または負荷試験で改善が認められる。

●有害事象
死亡はプラセボ群で1例,有害事象は両群とも5例であった。

文献: Finci L, et al. Sulotroban during and after coronary angioplasty. A double-blind, placebo controlled study. Z Kardiol 1989; 78 Suppl 3: 50-4. pubmed
関連トライアル CARPORT, ERA, Kereiakes DJ et al 1996, M-HEART II, RESTORE, STARC
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