抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
Roden S et al Transient cerebral ischaemic attacks--management and prognosis
結論 一過性脳虚血発作(TIA)の再発は発症後4ヵ月間で高率であることが示された。また,TIA既往患者におけるsulfinpyrazoneによる神経学的イベントの抑制効果は認められなかった。

目的 一過性脳虚血発作(TIA)の既往患者において,抗血小板薬sulfinpyrazone(sulphinpyrazone)の神経学的イベント(TIA再発または脳卒中)に対する抑制効果を検討するとともに,TIAの自然経過を観察。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,クロスオーバー。
セッティング 単施設。イギリス:Birmingham。
期間 追跡期間は平均28ヵ月(17~37ヵ月)。登録期間は3年以上。
対象患者 50例(男性35例,女性15例)。平均年齢63歳。1回以上のTIA[片側の四肢(上肢および下肢のいずれか,または両方)における一過性の筋力低下または一過性黒内障を発症し,48時間以内に完全に回復]既往を有する患者。最後の発作から3週間以内。
【除外基準】重度の腎または肝疾患,コントロール不能な高血圧症,痛風または活動性消化性潰瘍,心原性塞栓の可能性がある患者,抗凝固薬または抗血小板薬の投与歴。
治療法 sulfinpyrazone 800mg/日(分4)投与群とプラセボ群にランダム化。4ヵ月間の投与後,クロスオーバー(4ヵ月)を実施。
aspirin含有製剤の服用は禁止。鎮痛薬にはparacetamolの服用を指示。神経学的イベントの48時間以上の持続が認められた患者は試験を中止。
追跡完了率 脱落率は22%(11例)。
【脱落理由】試験薬以外での障害(5例),試験薬投与の不完了(4例)など。
結果

●評価項目
35例が8ヵ月間の治療を完了。治療期間中に4例が重大な合併症を発症(致死性脳卒中2例,非致死性脳卒中2例)。解析可能な39例(sulfinpyrazone投与群→プラセボ群16例,プラセボ群→sulfinpyrazone投与群23例)における検討では,治療期間中にTIAを再発した13例中,9例は最初の4ヵ月に再発し,次の4ヵ月に比較して再発率が高かった。神経学的イベントについても同様に,最初の4ヵ月の発生率が高かった(イベント発生例17例中,12例が最初の4ヵ月に発症)。
治療開始から最初の4ヵ月における神経学的イベントは,プラセボ群23例中9例,sulfinpyrazone群16例中7例に発生し,両群間に差は認められなかった。
治療期間中にTIAを再発した13例と再発しなかった22例を比較すると,非再発例の90%(20例)では追跡期間中に神経学的イベント発生がみられなかったのに対し,再発例では神経学的イベントが発生しなかったのは47%(6例)のみであり,さらなる神経学的イベントの発生リスクは,発症後6~8ヵ月間における非再発例で有意に低かった(p<0.01)。

●有害事象
表記なし。

文献: Roden S, et al. Transient cerebral ischaemic attacks--management and prognosis. Postgrad Med J 1981; 57: 275-8. pubmed
関連トライアル Acheson J et al, ARIS, ATIAIS, Canadian Cooperative Study 1978, JETS-1, TASS 1993
関連記事