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STIMS Swedish Ticlopidine Multicentre Study
結論 間欠性跛行患者において,ticlopidineの長期投与は心血管および脳血管疾患の罹患率と死亡率を低下させることが明らかにされた。

目的 間欠性跛行患者において,抗血小板薬ticlopidineの長期投与による心筋梗塞(MI),脳卒中および一過性脳虚血発作(TIA)の抑制効果を検討。
エンドポイント:致死性および非致死性MI,致死性および非致死性脳卒中,TIA。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(6施設)。スウェーデン。
期間 追跡期間は5年以上,またはエンドポイント(MI,脳卒中,TIA)到達まで(平均5.6年)。
対象患者 687例。年齢≦70歳(平均年齢ticlopidine群60.5歳,プラセボ群60.2歳)。間欠性跛行患者(WHO基準による)。
【除外基準】年齢>70歳,妊娠およびその可能性,血小板作用薬または抗凝固薬の投与,血小板数10万/μL以下,clofibrate以外の抗高脂血症薬の服用,過去3ヵ月以内のMI,過去1ヵ月以内の手術歴,糖尿病患者(インスリン治療中,または著明な増殖性網膜症・腎不全を合併),悪性腫瘍,コントロール不能な高血圧症,心房細動を伴うリウマチ性弁膜症,出血性潰瘍の既往,歩行障害を伴う脳卒中,腎および肝機能障害など。
治療法 ticlopidine 500mg/日(分2)群(T群:346例)とプラセボ群(P群:341例)にランダム化。
必要に応じて,高血圧症患者(>160/100mmHg)にβ遮断薬,Ca拮抗薬,利尿薬を投与。高脂血症患者には,食事療法またはclofibrateを投与。高血糖症に対しては経口血糖降下薬を投与。
追跡完了率 脱落率は24.0%(165例:T群106例,P群59例)。
【脱落理由】有害事象(99例),ドロップアウト(22例),合併症(20例)など。
結果

●評価項目
エンドポイント発生率は,T群89例(25.7%),P群99例(29.0%)とT群で11.4%低下した(p=0.24)。全死亡率はT群64例(18.5%),P群89例(26.1%)とT群で有意に29.1%低下(p=0.015)。これは,主に虚血性心疾患による死亡の減少によるとされる。また,on treat解析によっても,エンドポイント発生率はT群47例(13.8%),P群76例(22.4%)とT群で有意に38.4%減少した(p=0.017)。

●有害事象
有害事象としては下痢が最も多く(T群21.7%,P群8.8%),他の胃腸障害がT群16.5%,P群10.3%に認められた。T群において血液疾患(可逆性白血球減少または血小板減少)が7例(2%)に発現した。出血の発現は25例(T群16例,P群9例)で報告され,うち6例(T群5例,P群1例)が投与を中止した。有害事象による投与中止はT群73例(21.1%),P群26例(7.6%)とticlopidine群で多くみられた。

文献: [main] Janzon L, et al. Prevention of myocardial infarction and stroke in patients with intermittent claudication; effects of ticlopidine. Results from STIMS, the Swedish Ticlopidine Multicentre Study. J Intern Med 1990; 227: 301-8. pubmed
関連トライアル ACT, Balsano F et al, CATS, EMATAP, STAI 1990, STAI 1991, TASS 1993, TISS
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