抗血栓トライアルデータベース
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ACCSG 1985 American-Canadian Co-Operative Study Group
結論 本試験とAICLA Trialの結果から,一過性脳虚血発作(TIA)既往患者において,aspirin単独へのdipyridamole追加投与のベネフィットは認められなかった。

目的 一過性脳虚血発作(TIA)の既往患者において,抗血小板療法aspirin+dipyridamole併用による脳卒中,網膜梗塞,死亡に対する抑制効果をaspirin単独と比較検討。
一次エンドポイント:脳卒中(24時間以上持続する神経障害を伴う),網膜梗塞,または全死亡。
デザイン ランダム化,二重盲検。
セッティング 多施設(2ヵ国,15施設)。アメリカ,カナダ。
期間 追跡期間4~5年(中央値25ヵ月)。98%(871例)では追跡期間1年以上。
登録期間は1978年11月~1982年12月。1983年12月試験終了。
対象患者 890例。平均年齢63歳。主に白人男性。持続する軽度障害の有無にかかわらない頸動脈領域のTIA(単眼性または半球性)発症から3ヵ月以内。対象の半数以上はTIA発症歴は1回,94%は過去12週間以内に最終のTIA発症。
【除外基準】椎骨脳底動脈領域のTIA,他の重篤な疾患の併発,抗凝固薬または他の血小板機能に影響を与える薬剤投与の必要性,頸動脈内膜切除術施行が望ましい患者,心原性塞栓の可能性がある患者,消化性潰瘍または出血・凝固障害の既往など。
治療法 aspirin 1,300mg/日(分4)+プラセボ投与群(442例:A群)とaspirin 1,300mg+dipyridamole 300mg/日(分4)併用投与群(448例:A+D群)にランダム化。
1ヵ月後,その後は3ヵ月ごとに臨床評価を実施。
追跡完了率 投与中止例は382例(43%:A群185例,A+D群197例)。
【脱落理由】有害事象(162例),6週間以上の試験薬非服用または拒否(109例),6週間以上の抗凝固療法の必要性(24例)など。
結果

●評価項目
一次エンドポイント(脳卒中+網膜梗塞+全死亡)発生率はA群およびA+D群で同等であり(p=0.89,相対リスク1.02,95%CI 0.77-1.35),致死性および非致死性脳卒中+網膜梗塞の発症率においても同様であった(p=0.42,相対リスク1.16)。
一次エンドポイント+TIAの発症率は,A+D群でやや減少したが,有意差には至らなかった(p=0.25,相対リスク1.14)。心筋梗塞+全死亡に関しても,両群間に有意差なし(p=0.86)。死亡はA群38例,A+D群46例と有意差はなく,死亡原因の分布も同等であった。
エンドポイント発生は,最初の1ヵ月間に集中がみられた[脳卒中+網膜梗塞+全死亡:0~1ヵ月15例(1.7%),1~2ヵ月5例(0.6%),2~3ヵ月7例(0.8%),脳卒中+網膜梗塞:各14例(1.6%),3例(0.3%),3例(0.4%)]。
年齢(58歳未満,58歳~67歳,68歳以上),性別,人種(白人または黒人),TIA既往(単回または多発),一過性黒内障または半球性イベント発生歴(どちらか一方,または両方),末梢血管疾患既往の有無といったサブグループ解析でも,両群のエンドポイント発生率に有意差は認められなかった。

●有害事象
最も多く発生した有害事象は消化性潰瘍で,A群24例,A+D群20例であった。

文献: [main] The American-Canadian Co-Operative Study group. Persantine Aspirin Trial in cerebral ischemia. Part II: Endpoint results. Stroke 1985; 16: 406-15. pubmed
関連トライアル ACCSG 1983, AICLA, AITIA 1977, AITIA 1978, ATIAIS, CABADAS, CARESS, CAST, CREDO, EAFT 1993, ESPRIT 2006, ESPS-1, ESPS-2 1996, FRISC, Holdright D et al, Ishikawa K et al, ISIS-2, ISIS-2 10 year survival, IST 1997, JETS-1, PARIS-I, PARIS-II, Schwartz L et al, SPIRIT, Swedish Cooperative Study, TASS 1993, WASID
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