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Danish Cooperative Study
結論 可逆性脳虚血発作患者において,aspirin 1,000mg/日投与の脳卒中および死亡に対する抑制効果は認められなかった。しかし,本結果はaspirinが脳卒中抑制に関して無効であることを示すものではない。

目的 可逆性脳虚血発作[一過性脳虚血発作(TIA)または可逆性虚血性神経障害(RIND)]の既往患者において,抗血小板薬aspirin(1,000mg/日)の脳卒中および死亡に対する抑制効果を検討。
一次エンドポイント:脳卒中または死亡(神経障害を伴う症状が72時間以上持続する場合を脳卒中とした)。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検。
セッティング 多施設(5病院)。デンマーク:コペンハーゲン。
期間 追跡期間は平均25ヵ月。
登録期間は1976年6月~1979年10月。1980年11月試験終了。
対象患者 203例(男性148例,女性55例)。34~75歳(平均59歳)。過去1ヵ月以内に,持続時間72時間以内の可逆性脳または網膜虚血発作を1回以上発症したTIAまたはRIND患者。TIA患者75%,RIND患者25%。
【除外基準】めまい感,意識喪失,一過性健忘症,記憶喪失の症状がある患者。過去の脳卒中による重篤な症状の残存,他疾患による体調不良,出血性消化性潰瘍の既往または活性化消化性潰瘍,aspirinに対する過敏症,他疾患によるaspirinまたは抗血小板薬の投与歴,頸動脈外科手術の適応。
治療法 aspirin 1,000mg/日経口投与群(101例)とプラセボ群(102例)にランダム化。
新たな虚血発作の臨床評価を妨げる可能性のある障害が持続する脳卒中を「disabling stroke」とし,disabling strokeまたは死亡が発生した場合は,患者の追跡を終了。
追跡完了率 脱落率は27.1%[55例:aspirin群23.8%(24例),プラセボ群30.4%(31例)]。
【脱落理由】消化管での有害事象(10例),その他の理由による血小板凝集薬の投与(6例),抗凝固薬の追加投与(4例)など。
結果

●評価項目
脳卒中の発症率はaspirin群16.8%(17例),プラセボ群10.8%(11例),一次エンドポイントの発生率はaspirin群20.8%(21例),プラセボ群16.7%(17例)であり,いずれも両群間に有意差は認められなかった(各p=0.29,p=0.56)。TIAまたはRINDの再発も,aspirin群37.6%,プラセボ群39.2%と両群で同等であった(p=0.93)。致死性および非致死性心筋梗塞の発症は,aspirin群5.9%とプラセボ群13.7%に比し減少傾向がみられたが,有意差には至らなかった(p=0.10)。

●有害事象
有害事象はaspirin群14.9%(15例),プラセボ群15.7%(16例)に認められ,うち胃腸不快感は各8.9%(9例),6.9%(7例)と両群間で同等であった。

文献: [main] Sorensen PS, et al. Acetylsalicylic acid in the prevention of stroke in patients with reversible cerebral ischemic attacks. A Danish cooperative study. Stroke 1983; 14: 15-22. pubmed
関連トライアル ACE, Acheson J et al, AICLA, AITIA 1977, AITIA 1978, ATIAIS, Canadian Cooperative Study 1978, Canadian Cooperative Study 1980, CAST, Danish Very-Low-Dose Aspirin Trial, Dutch-TIA Trial, EAFT 1993, ESPS-1, ESPS-2 1996, Gent M et al 1985, IST 1997, Swedish Cooperative Study, TASS 1993, UK-TIA, WARSS, WHS
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