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Danish Very-Low-Dose Aspirin Trial Danish Very-Low-Dose Aspirin After Carotid Endarterectomy Trial
結論 低用量aspirin(50~100mg/日)による有意な血管イベント抑制効果は認められなかった。

目的 頸動脈内膜切除術を施行した患者において,低用量aspirin(50~100mg/日)による血管イベント抑制効果を検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(2施設)。デンマーク。
期間 追跡期間は平均25ヵ月。登録期間は1982年1月~1986年12月。
対象患者 301例。頭蓋外動脈狭窄による待機的頸動脈内膜切除術施行後,1週~3ヵ月が経過し,神経障害の持続が認められない患者。
【除外基準】追跡調査が不可能な地域に居住,aspirinにアレルギー,血小板機能に影響を与える薬剤投与の必要性,3ヵ月を超える抗凝固療法の継続,脳内血腫の既往,痴呆(コンプライアンスに影響を与えることが予想されるもの)など。
治療法 aspirin投与群(150例)とプラセボ群(151例)にランダム化。
aspirinは50mg/日から投与開始。血小板凝集抑制作用を最初の2ヵ月間に2回,その後フォローアップ時に評価し,80%未満の場合は1週間後に再度評価を行い,十分な作用が得られるまでaspirinを10mgずつ増量。治療期間は平均21ヵ月。aspirin含有製剤および抗炎症薬の服用は禁止。鎮痛薬にはparacetamolを推奨。
追跡完了率 投与中止例は61例(20.3%:aspirin群24例,プラセボ群37例)。
【脱落理由】非ステロイド性抗炎症薬投与(17例),抗凝固薬投与(8例),消化管症状(7例)など。
結果

●評価項目
aspirin群では76%が50mg/日により十分な血小板凝集抑制が得られたが,13%は60mg/日,8%は70mg/日,3%は100mg/日を必要とした。aspirin群では計709回の測定のうち,33回(5%)で抑制が不十分あるいは認められなかったが,用量補正後は全患者で十分な抑制が得られた。一方,プラセボ群では血小板凝集抑制が認められたのは597回の測定中7回(1.2%)のみであった。
治療期間中の血管死の発生はaspirin群12例,プラセボ群6例とaspirin群で多く認められたが,有意差には至らなかった。脳卒中,脳卒中+一過性脳虚血発作(TIA)+一過性黒内障(AF),全血管イベント[血管死+脳卒中+TIA+AF+急性心筋梗塞(AMI)]の発生がない累積生存率は,aspirin群で改善傾向がみられたが,18ヵ月後には有意差は認められなかった(p=0.34)。また,全血管イベントの発生リスクはaspirin群で11%減少し(95%CI-38-43%,p>0.1),治療期間終了後を含むintention-to-treat解析においても,ほぼ同様の結果が得られた。

●有害事象
有害事象による投与中止例は,aspirin群24例(16%),プラセボ群37例(25%)とプラセボ群でやや多かった。このうち,胃腸症状による中止例はaspirin群3例,プラセボ群4例であった。

文献: [main] Boysen G, et al. Danish very-low-dose aspirin after carotid endarterectomy trial. Stroke 1988; 19: 1211-5. pubmed
関連トライアル AAASPS 2003, ACE, AICLA, AITIA 1977, AITIA 1978, AMIS, Asymptomatic Cervical Bruit Study, Bedford RF et al, CAPRIE 1996, CAST, CHARISMA, CHARISMA subgroup analysis, CREDO, Danish Cooperative Study, De Caterina R et al, ESPRIT 2006, ESPS-2 1996, Findlay JM et al, Harter HR et al, IST 1997, Lindblad B et al, PRISM-PLUS 1998, Schulman SP et al, SPAF III 1996, TPT, United Kingdom Medical Research Council Primary Thrombocythemia 1 Study, WHS
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