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Gent M et al 1985 A Secondary Prevention, Randomized Trial of Suloctidil in Patients With a Recent History of Thromboembolic Stroke
結論 血栓塞栓性脳梗塞の既往患者におけるsuloctidilの脳卒中再発,心筋梗塞(MI)および心血管死の抑制に対する明らかな有効性は認められなかったが,心臓死への影響についてさらなる検討が必要とされる。

目的 血栓塞栓性脳梗塞既往患者における,抗血小板薬suloctidilの二次予防効果を検討。
一次エンドポイント:脳卒中の再発+心筋梗塞(MI)+心血管死の複合。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検。
セッティング 多施設(4施設)。カナダ:Hamilton,London,Toronto,Montreal。
期間 追跡期間は平均20ヵ月。
登録期間は1979年9月~1982年12月。1983年7月追跡終了。
対象患者 438例。平均年齢67歳。男性60%。過去2週間から4ヵ月以内に血栓塞栓性脳梗塞を発症した患者(アテローム血栓性脳梗塞,ラクナ脳梗塞を含む)。
【除外基準】一過性脳虚血,可逆性虚血性神経障害,軽度の血栓塞栓性脳梗塞以外を発症していない患者,アテローム硬化以外の発症原因が推察される患者,精神痴呆患者,重篤な疾患(癌,コントロール不能な心不全など)を有する患者,抗血小板薬または抗凝固薬投与の必要がある患者など。
治療法 suloctidil 600mg/日(分3)投与群(218例:S群)とプラセボ群(220例:P群)にランダム化。
追跡完了率 投与中止は138例(31.5%:S群71例,P群67例)。
【脱落理由】有害事象(41例)など。
結果

●評価項目
一次エンドポイントは,S群38件,P群47件であり,S群において24%のリスク減少が認められた(p=0.17)。脳卒中+MI+全死亡はS群47件,P群58件と有意差なし(p=0.08)。心血管死はS群10例,P群18例(p=0.06)であり,全死亡S群21例,P群29例(p=0.04)と相違がみられたが,これは心臓死の発生率の違いによると推察される(S群5件 vs P群15件)。
非致死性および致死性脳卒中はS群で31例,P群では28例に認められ,致死性脳卒中はS群5例,P群3例であった。
intention-to-treat解析では,一次エンドポイントはS群45件,P群53件(p=0.26),脳卒中+MI+全死亡はS群62件,P群70件(p=0.24)といずれもS群において有意な減少がみられた。

●有害事象
有害事象の発生は,suloctidil群67例(31%),プラセボ群29例(13%)とsuloctidil群で有意に多かった(p<0.001)。なかでも,めまい感(5例 vs 0例),便秘(4 vs 0),肝炎の疑い(6 vs 1)において顕著な差がみられた。

文献: Gent M, et al. A secondary prevention, randomized trial of suloctidil in patients with a recent history of thromboembolic stroke. Stroke 1985; 16: 416-24. pubmed
関連トライアル Adriaensen H, AICLA, CAST, CATS, Danish Cooperative Study, EAFT 1993, ESPS-2 1996, Holm J et al, Jones NAG et al, RESTORE, SPAF II 1994, Verhaeghe R et al, WHS
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