骨粗鬆症―日本のガイドライン・世界のガイドライン
ここでは,骨粗鬆症の診断・治療・評価に関する世界のガイドラインをとりあげます。
 
骨粗鬆症の診断に関する各ガイドラインの推奨事項〈症例呈示〜ガイドラインに沿った診断の進め方〉
 三木隆己(大阪市立大学医学部老年科・神経内科助教授)
1.骨粗鬆症の診断―日本のガイドライン
  2.骨粗鬆症の診断−海外のガイドラインとの比較
  3.〈症例呈示〉ガイドラインに沿った診断の進め方


 1.骨粗鬆症の診断―日本のガイドライン

わが国の原発性骨粗鬆症診断基準は1995年に発表され,1996年の改訂を経て,2000年には骨折発生から評価した経時的観察の結果をもとに,従来の基準の妥当性が検討され,さらに,低骨量評価に対する骨密度評価の重要性に配慮した基準に改訂された1)

1)

診断基準の対象者
腰痛や円背などの有症者あるいは検診などで要精検と判断された女性。
その他には,病歴や家族歴から判断して,骨粗鬆症や骨折危険因子を有する女性。

2) 原則として骨密度を測定
測定部位は腰椎骨密度。評価できない場合は大腿近位(大腿頸部,大腿近位全体)とし、これらの評価が困難な場合は,橈骨,中手骨,踵骨の末梢骨密度を測定。

a) 骨密度が評価できない場合:
椎体レントゲン検査にて骨粗鬆症化および椎体骨折の有無を評価。ただし,超音波による骨評価は診断基準値が設定されていない。
b) 骨粗鬆症,骨減少症,正常の区分:
骨密度の若年者平均(YAM)からの減少の程度(%),レントゲンでの骨粗鬆症化の有無および椎体骨折の有無にて判断する( )。
c) ステロイドホルモン投与者や閉経前骨粗鬆症の診断基準:
両者の診断基準は明らかにされていない。特に,ステロイド骨粗鬆症については,骨折頻度が高く,一度骨折が生じると短期間に他の椎体にも波及すること,また,骨折抑制効果の明らかな薬剤があることから,原発性骨粗鬆症基準とは別にすべきとの考えもあるが,診断基準はそのままで治療ガイドラインにより対応するのがよいとの意見が多い。
なお,男性の骨粗鬆症診断基準は,海外では明らかにされていないが,わが国では女性と変える必要はないとされている。ただし,腰椎よりも大腿骨骨密度(頸部および全体)による評価が推奨され,そのカットオフ値は公表されている1)
d) 生化学検査・骨代謝マーカー:
鑑別診断や骨粗鬆症病態診断に関する生化学検査や骨代謝マーカーについての記載はない。
原発性骨粗鬆症は,血清Ca,リンおよびアルカリフォスファターゼ(ALP)が正常でなければ,二次性骨粗鬆症の可能性も視野に入れる。ただし,ALPは正常上限の1.5倍程度までの増加はしばしばみられる。
なお,骨代謝マーカーについては,骨粗鬆症学会骨代謝マーカー検討委員会報告に取り扱いについて記載されている2)


 
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